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クマリン

「今日」摘み取っても、「明日」になれば新し芽が伸びてくるほどの生命力旺盛な明日葉ですが、葉や茎には「カルコン」と「クマリン」という成分が含まれています。では「クマリン」とは何でしょう。クマリンは分子量が146.15、融点が69℃、沸点が290℃、アルコール、エーテル、クロロホルム、揮発油に溶解します。水には微溶。可燃性です。紫外線を照射すると黄緑色の蛍光を発します。桜の葉を代表とする植物の芳香成分の一種で、バニラに似た芳香があります。苦く、芳香性の刺激的な味がします。まだ生命ある植物の葉の中はクマリン酸配糖体の形で糖分子と結合して液胞内に隔離されていますので匂いはしません。しかし死んだ細胞の中で液胞内のクマリン酸配糖体と液胞外の酵素が接触して加水分解によりよってクマリン酸が分離、閉環反応が起こりクマリンが生成し、芳香を発するようになります。やや分析的に記しましたが、私たちの身近で一番この香りを放つものは、桜餅です。桜餅の香りは桜餅を包んでいるサクラの葉に含まれるクマリンなのです。桜餅に使うサクラの葉はオオシマザクラですが、他のサクラの葉にもこのクマリンは含まれるようです。もっともサクラの葉の匂いを嗅いでもあの桜餅の香はしません。桜餅に使われる葉は塩漬けにして1年ほど寝かしてこの香りを放つわけです。このことによってクマリンの香が出てくるのです。明日葉と桜餅、どちらも目と香りで私たちを癒してくれるところは共通しているわけです。

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